紀平梨花が世界選手権で表彰台を逃す!その光と影とは?
3月22日、埼玉スーパーアリーナで、世界選手権の女子フリーが開催された。
SP7位の紀平梨花選手は、逆転を目指して、果敢に挑んだが、
2回目のトリプルアクセルで転倒し、表彰台を逃してしまった。
フリー152・59点(2位)、総合得点 223・49点の4位だった。
1.アリーナ・ザギトワ 237.50(155.42/82.08)
2.エリザベート・トゥルシンバエワ 224.76(148.80/75.96)
3.エフゲニア・メドベージェワ 223.80(149.57/74.23)
4.紀平梨花 223.49(152.59/70.90)
5.坂本花織 222.83(145.97/76.86)
6.宮原知子 215.95(145.35/70.60)
日本代表として3人とも頑張ったが、表彰台に一人も上がれなかったのは
残念であった。
勝負の世界に「もし」と言うことは出来ないかもしれませんが、
2回目のトリプルアクセルが成功していたら、紀平選手は、銀メダルでした。
フリーの技術点ではザギトワ選手に勝っている
紀平梨花選手の強さは、ジャンプだけではなく、ステップ・スピンそして
音をとらえる力にあります。
どうしてもトリプルアクセルの成功が、結果の光につながっていきます。
今回の世界選手権の結果を見ても、ザギトワ選手は、つぎのように
ミスなしで、演技構成点も非常に高いのです。
総合得点 237.50点
ショート 82.08点
フリー 155.42点
テクニカルエレメンツ 81.16点
プレゼンテーション 74.26点
減点なし
一方、紀平選手ではつぎのようになってます。
技術点では、ザギトワ選手に勝っていますが、
プレゼンテーションでは、負けています。
総合得点 223.49点
ショート 70.90点
フリー 152.59点
テクニカルエレメンツ 82.63点
プレゼンテーション 70.96点
減点 1.00点 (2回目のトリプルアクセル転倒)
プレゼンテーションの差が大きいですが、この差を詰めることは、
非常に困難です。ロシアの芸術力、表現力は強すぎます。
やはり、勝つためにはトリプルアクセルの成功率を高めることが重要です。
トリプルアクセル成功のカギは?角度とスピード?
上のシーンは、初めのトリプルアクセルを跳ぶ直前です。
これから、3アクセル+3トゥループと成功したコンビネーションジャンプにつながります。
前回のショートプログラムでの記事でも紹介しましたが、現在の紀平選手は、
次のような条件が揃えばほぼ確実にトリプルアクセルが跳べます。
公式練習の成功データを用いて、空気抵抗がなく、回転もない条件だと
つぎのような計算結果になります。(靴が重心となります)
じつは、上の計算結果は、前方へ一番遠くに跳ぶ場合の条件でした。
約38度になっています。
していることがわかりました。
転倒したトリプルアクセル失敗の原因はスピード不足?
少し、角度が大きくなっていますが、荷重方向とエッジ方向がほぼ一致しています。
いつもの紀平選手ならこれで跳べるはずです。
荷重が後方にかかり、後方エッジだけが氷にひっかかるような状態になっています。
これでは、確実に転倒します。
スピードの不足しか残っていません。
達していなかった可能性が非常に高いのです。
1回目のトリプルが成功したから、それとも2本目はもっと慎重に
跳ぼうとしたのかわかりませんが、スピードが確かに遅かったのです。
トリプルアクセルは、角度、スピード、タイミングがすべて揃わないと
成功しないことになります。
非常に、微妙なジャンプですが、理論に基づく練習をすれば
ほぼ確実に跳べるようになります。
最近の紀平選手はあまりにも、試合・合宿などが多すぎて、
考える余裕、スケートを楽しむ余裕がなくなっているのではないでしょうか?
それから、足の健康状態がどうなのかも心配です。
過剰な練習が続くとじつは、筋肉は再生しないでダメージを受けます。
適度な休息が必要です。休息で筋肉が回復していきます。
毎日の準備型練習が筋肉に悪影響を及ぼす場合もあるので、
ゆっくりと足を休ませてください。
また、すぐに国別対抗戦がありますが、前進した紀平選手の姿をぜひとも見せてください。
オリンピックまでの道のりは、まだまだ序章です。
誰も未来の姿を決めつけるような発言はできるはずはありません。
愚かな予測・推測は、無視して一歩ずつ前進してください。
あるのは未来への希望と夢です。
ケガをしないように頑張って!紀平梨花!